【報告書】作成者:ましろ

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2010-04-26 (Mon) 21:45

【 見つめていられたら 】

平日午前の図書館。

ほんの小さな物音を立てる事すらもはばかられ、
頁を繰る音だけがただ静かに響く。
緊張感に充たされた空間。

キミの気配を捜して、
無意識のままに視線が宙を彷徨う。

(見つけた。)

無防備な背中。
しなやかな指先。
甘い声が、優しく響いてる。

(振り向かないで、そのまま。)

密やかな願いは届かないまま、
互いの視線が重なる。
キミは一瞬、真面目な表情を浮かべて。
それからちょっと照れた様に微笑んでくれる。

(どうか気付かないでいて。)

そっけなく会釈を返してから、
何事もなかったかの様に視線を手元に戻す。


平静を装っていても、隠し切れない。
きっと見抜かれてるこの想い。

遠くから見つめていられたら。

それだけで、シアワセ。
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最終更新日 : -0001-11-30