【報告書】作成者:ましろ

Top Page › 3D小説「bell」 【書籍1巻】 › 【ある侵入者の回想3】 7/27 公開されなかったシーン / 書籍P:210
2014-07-27 (Sun) 23:57

【ある侵入者の回想3】 7/27 公開されなかったシーン / 書籍P:210

【ある侵入者の回想2】 7/27 / 書籍P:208 ← 3D小説「bell」 / 【概要】 → 【メリー】 7/27 / 書籍P:224
-----------------------------------------------------------------------------

 確かに、チャイムが鳴った。
 だがソルのひとりがドアを開いても、そこには誰もいなかった。かわりにゆっくりと、廊下の向こうで、非常口への扉が閉まるのがみえた。
 ――チャンスだ。
 とあの時、私は感じた。だからすぐに動いた。チャンスは本能でつかむものだ。頭を使っているとするりと逃げだしてしまう。
 目的のブツをポケットに突っ込み、私は駆け出す。
 相手は誰でもよかった。とにかく、目的を達成して、この部屋から逃げ出すチャンスだ。
 「追いかけましょう」
 そう言うと、ドアの前に立っていた男が道をあけてくれた。私は非常口の扉に向かって走った。そのとき、視界の隅に、小さなカードが入った。
 ――名刺?
 名刺だ。私は同じ名刺を持っていた。依頼主――雪と名乗る、謎の女性の名刺だ。
 ――なるほど。
 気まぐれな依頼主だけれど、サポートに来てくれたのだろう。
 私は非常口の扉を開き、階段を駆け下りる。
 後ろを、数人のソルたちが追ってきた。


【ある侵入者の回想2】 7/27 / 書籍P:208 ← 3D小説「bell」 / 【概要】 → 【メリー】 7/27 / 書籍P:224
-------------------------------------------------------------------------------------------
スポンサーサイト



最終更新日 : 2015-07-30

Comment







非公開コメント