3D小説「bell」 → 7月24日(木) / 7月24日(木)14:00~25:15
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ベルの音が聞こえる。
それはありふれた電子音だった。
電話のベル? 2回か3回、鳴り響いて消えてしまう。
ぼくは目をひらく。
部屋は暗い。
カーテンの隙間から射し込む月の明かりで、なんとか辺りの様子がわかる。
時計をみると0時を指していた。眠い。
――そうだ、ベル。
あの音は、どこから聞こえたんだろう。
ぼくはベッドの上で身体を起こす。と、また。ベルの音が聞こえた。
すぐ近くだ。枕の辺り。
みると大きなくつしたが、ぺろんと落ちていた。ぼくのじゃない。ベルの音は、そのくつしたの中から聞こえたようだった。
ぼくはくつしたを逆さにしてみる。
シーツにぽとんと、スマートフォンが落ちた。一緒に、まるまった充電コードも出てくる。
――どうしてくつしたに、スマートフォンが入ってるんだろう?
だれかのいたずらだろうか。
ぼくはスマートフォンを手に取った。
ホームボタンを押す。メールが届いていた。
発信元のところには、「制作者」と書かれている。
制作者? いったい、なにの?
ぼくはねぼけた目をこすって、メールを開いた。
おめでとう。きみは「読者」に選ばれた。
この物語を救えるのは、きみたちだけだ。
読者? わけがわからない。
ぼくはしばらく、スマートフォンをいじってみる。
ほとんどまっさらみたいだ。音楽も写真も入っていない。ゲームのアプリもない。アドレス帳には2件だけ登録がある。
ひとつは、「制作者」。
もうひとつは、「主人公」。
主人公ってだれだよ、と呆れる。
ホーム画面にはツイッターのアプリがあった。
ぼくはそのアイコンに触れる。もしかしたら、スマートフォンの持ち主がわかるかもしれない。
パスワードを入れなくてもログインできた。
「少年」という名前で登録されている。アカウント名は「@3d_bell」。
タイムラインには、ひとつだけツイートがあった。
――始まりのベルは、7月25日、午前0時に鳴り響く。
よくわからない。プロフィール欄を確認してみるけれど、そこにあるのも不思議な文章だった。
ルールその1。発言には「#3D小説」をつけてください。
ルールその2。周りのひとの迷惑にならないようにいたしましょう。
その3以降は、とくにありません。
現実味がなくって、まるで夢の中にいるような気分だ。
あんまり眠くて、ぼくはころんとベッドに横たわる。
寝ぼけた頭で文字を入力した。
ツイートしてすぐに、眠気に逆らえなくて、ぼくは目をとじた。
3D小説「bell」 → 7月24日(木) / 7月24日(木)14:00~25:15
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それはありふれた電子音だった。
電話のベル? 2回か3回、鳴り響いて消えてしまう。
ぼくは目をひらく。
部屋は暗い。
カーテンの隙間から射し込む月の明かりで、なんとか辺りの様子がわかる。
時計をみると0時を指していた。眠い。
――そうだ、ベル。
あの音は、どこから聞こえたんだろう。
ぼくはベッドの上で身体を起こす。と、また。ベルの音が聞こえた。
すぐ近くだ。枕の辺り。
みると大きなくつしたが、ぺろんと落ちていた。ぼくのじゃない。ベルの音は、そのくつしたの中から聞こえたようだった。
ぼくはくつしたを逆さにしてみる。
シーツにぽとんと、スマートフォンが落ちた。一緒に、まるまった充電コードも出てくる。
――どうしてくつしたに、スマートフォンが入ってるんだろう?
だれかのいたずらだろうか。
ぼくはスマートフォンを手に取った。
ホームボタンを押す。メールが届いていた。
発信元のところには、「制作者」と書かれている。
制作者? いったい、なにの?
ぼくはねぼけた目をこすって、メールを開いた。
おめでとう。きみは「読者」に選ばれた。
この物語を救えるのは、きみたちだけだ。
読者? わけがわからない。
ぼくはしばらく、スマートフォンをいじってみる。
ほとんどまっさらみたいだ。音楽も写真も入っていない。ゲームのアプリもない。アドレス帳には2件だけ登録がある。
ひとつは、「制作者」。
もうひとつは、「主人公」。
主人公ってだれだよ、と呆れる。
ホーム画面にはツイッターのアプリがあった。
ぼくはそのアイコンに触れる。もしかしたら、スマートフォンの持ち主がわかるかもしれない。
パスワードを入れなくてもログインできた。
「少年」という名前で登録されている。アカウント名は「@3d_bell」。
タイムラインには、ひとつだけツイートがあった。
――始まりのベルは、7月25日、午前0時に鳴り響く。
よくわからない。プロフィール欄を確認してみるけれど、そこにあるのも不思議な文章だった。
ルールその1。発言には「#3D小説」をつけてください。
ルールその2。周りのひとの迷惑にならないようにいたしましょう。
その3以降は、とくにありません。
現実味がなくって、まるで夢の中にいるような気分だ。
あんまり眠くて、ぼくはころんとベッドに横たわる。
寝ぼけた頭で文字を入力した。
このアカウントが登録されているスマートフォンを拾いました。持ち主をご存知の方、だれかいませんか?#3D小説
ツイートしてすぐに、眠気に逆らえなくて、ぼくは目をとじた。
3D小説「bell」 → 7月24日(木) / 7月24日(木)14:00~25:15
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最終更新日 : 2015-07-30