
※『タイムカプセルの在り処』:愛媛の山中にて発見。
集合場所にて「いつの間にか置いてあった」と越智総一郎より渡された。
タイムカプセルは赤い缶にした。
それを持って、四人で山に登った。
「このへんでいいんじゃないか?」
「お前はいつも大雑把だな」
「じゃあどこがいいんだよ」
「そこそこわかりやすくて、でもひと目じゃ
わからない場所がいい」
「あの辺りはどうかな」
「うん。悪くない」
「オレが選んだ場所となにが違うんだよ」
いつものように揉めながら、スコップで穴
を掘った。
土は、表面は柔らかいけれど、少し掘ると
固くなった。それに大きめの石がごろごろと
あって、それにぶつかると手がしびれた。
穴はどうしても丸くなって、四角い缶を埋
めるのはけっこう大変だ。
それでもなんとか赤い缶を埋めて、ぎゅっ
と地面を踏み固める。
それから、「目印」からの距離を測る。
「ほら、そこ。メジャー浮いてるぞ」
「仕方ないだろ。坂だし、でこぼこしてるし
よ」
「ちょっとななめになってもいいから、地面
にぴっちりつけるのをルールにしよう。なに
か基準がないと、あとで掘り返すときに大変
だ」
「早く掘れるといいね」
「すぐだよ」
「どうかな」
「どうしてお前は、そういうことをいうんだ
よ」
ともかく計測を終えて、それから距離をメ
モした。
「ただの数字じゃ面白くない」
ということになって、ちょっとだけ変化を
つけてみる。
赤い星からペコちゃん一〇人
ウキキからジャンプ九一くらい
山の神様からマーブル二六本
「くらいってなんだよ」
「仕方ないだろ。だいたいそれくらいなんだ
から」
「あれ、山の神様なの?」
「なんとなくそれっぽくないか?」
「オレはもうひとつの方が好きだぜ。強そう
で」
「あっちはなんか、ウラオモテがあるのがこ
わいな」
なんにせよ早く、このタイムカプセルを掘
り起こせるときがくればいいな、と思う。
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最終更新日 : 2014-11-10