気付けば、彼女の事ばかり考えている。
どうしてそんなに気になるのかって?
それは自分でもよく、わからない。
なんだか気になる存在だった、としか言いようがないから。
でも、ちょっと気紛れでつれない彼女から
目が離せなくなってしまった事だけは、確か。
可笑しいかな?
笑っても、いいよ。
あの日から姿を見せるようになった、ひとりの少女。
彼女が現れると辺りの空気が、変わる。
時にはふぅっと宙を凝視したまま、彫像のように動かなくなる。
遥か彼方を見つめるような眼差しは、
まるで時が止まってしまったかのような錯覚を引き起こす。
(すごく、キレイだ。)
目を逸らせなくなるほどの強い引力に、抗えない。
なにげなく。
作業の手を休めて。
通りすがりに。
いつだって。
彼女の気配を、感じていたい。
そうして日を追うごとにギャラリーが少しずつ増えていったけれど、
彼女の視界には誰ひとりとして、入れなかった。
言葉もなく佇むその姿を遠くから見守る事しか出来ないまま。
そんな危ういバランスも、脆く崩れ去る日が訪れた。
いつの間にか彼女の視線の先にいた、アイツ。
本音を言えば。
ちょっとだけ、妬けた。
2012年5月25日(金)
無意識に、探してる。
視界の端にはいつも、彼女の姿。
その遥か遠くに、ライバルの気配を確かめながら。
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最終更新日 : 2015-11-01