タイムリミットが刻々と近付いていた。
/* examples2 */ new!update:23.02.2012 09:16pm
情報ファイルの消去までに残された時間は、48時間。つまり、最終期限は2月25日(土)21時。
「ArthurDLindsey's Pastebin」の解析により、我々は幾つかの情報を入手していた。
21a_22a_mymemo.zip
------------------------------21a_mymemo.jpg/記録(1)
22a_mymemo.jpg/記録(2)
21b_22b_mymemo.zip ※パスワードが設定されており、入手不可。
21b_22b_dl_key.zip
------------------------------21b_22b_dl_key.jpg
「記録」と名付けられた文書については、
日付が記載されている事から「Arthur D. Lindsey」が綴った日誌であると推測される。
しかし、文面に影を落とす幾つもの染みが、全容の解明を妨げていた。
(・・・まさか。)
「$Bar Million$」の内部に残されていた絵画が、不意に甦る。
Лишние слова надо истреблять, как вошь.
訳:不要な単語がシラミのように根絶されるべきである。
絵画に重ねられていた言葉はもしや、ハウス・朱(vermillion)による「警告」だったのではないだろうか。
【警告:無用な監視や追跡を免れるためには、情報の一部を隠匿すべし。】
我々の求める情報が当事者にとって秘すべき重要機密である可能性は否定出来ない。
それゆえに情報の発信源「$Bar Million$」は閉鎖された。
後に続くであろう追求者たちを遠ざけるような文言だけを残して。
そこで、「Arthur D. Lindsey」は自らの記録を存続させるため、
朱が発した警告に従い「記録」の一部を隠匿した、とも考えられる。
(果たして、真相は・・・。)
様々な思いと共に記録文書をぼんやり眺めていると、黒い染みはその奥深くへと誘うようにますます色を濃くした。
そして、「$Bar Million$」の跡地に刻まれた「あの言葉」を幾度も繰り返すのだった。
まるで、呪詛のように。
Wenn du lange in einen Abgrund blickst,blickt der Abgrund auch in dich hinein.
訳:おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
目を閉じて、深呼吸をひとつ。
そして、得体の知れない強い引力に抗おうと、残された文書に目を移す。
22a_mymemo.jpgには記録文書の傍らにメモが配置されており、
「A.D.L(Arthur D. Lindsey)」、「TEL」と共に電話番号「+12673858375」が記されていた。
※「PA」については何を示唆しているのか特定されていない。
一方、21b_22b_mymemo.zip はパスワードによって保護され、入手不可能な状態にあった。
そこで、「How to create links in an HTML document」にて「download key」と名付けられたファイル
「21b_22b_dl_key.jpg」の解読を試みる。
文書には不可解な数字が並べられていた。
9780743437820978006207352597804511659789780440213321
978044660480297804402460779780380717019
↓
長い数字の列を13桁ずつに等分すると、それぞれが書籍のISBNである事が判明した。
そこで、該当する書籍名を並べてみる。
9780743437820:Garden of Beasts: A Novel of Berlin 1936
9780062073525:Ordeal by Innocence (Queen of Mystery)
9780451165978:One Lonely Night (Mike Hammer Series)
9780440213321:Deadlock (V.I. Warshawski Novels)
9780446604802:Jack and Jill (Alex Cross Novels)
9780440246077:One Shot: A Reacher Novel (Jack Reacher Novels)
9780380717019:Body of Evidence
↓
該当する書籍名の先頭語句を繋いだ「GOODJOB」を合言葉に、
保護されていたファイル「21b_22b_mymemo.zip」が入手可能となった。
21b_22b_mymemo.zip
------------------------------→
【正位置】21b_mymemo.jpg
→
【正位置】22b_mymemo.jpg
文書そのものは反転されており、描かれている鳥はシンボルマークを思わせる。
そして、記録の欠損箇所に相当するであろう語句が、実に整然と並べられていた。
情報ファイル消去の最終期限を待たずして記録が復元され、
「Arthur D. Lindsey文書」が白日の下に晒されようとしている。
それは、封印された過去に【一筋の光明】が差した瞬間でもあった。
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最終更新日 : -0001-11-30