【報告書】作成者：ましろ

仮契約書ですが、結論としては解約可能です。ポイントは２点あります。

・ナインクルーズが契約者に対して事実誤認をさせている
・契約内容に無効となる部分がある

これにより、特定商取引法のクーリングオフが適用できる可能性が非常に高いです。
また、クーリングオフ期間外であったとしても、契約内容で無効となる部分があるので、
履行を拒否したとしても契約者にペナルティが発生する可能性はほぼないと考えられます。

まず、消費者保護法によると、

第一条　この法律は、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差にかんがみ、事業者の一定の行為により消費者が誤認し、又は困惑した場合について契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができることとするとともに、事業者の損害賠償の責任を免除する条項その他の消費者の利益を不当に害することとなる条項の全部又は一部を無効とすることにより、消費者の利益の擁護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

と書かれており、「誤認」または「困惑した場合」は申し込みまたは承諾の意思表示を取り消すことができるとあります。
どういうとき意思表示の取り消しができるかも詳しく書かれています。該当すると思われる項目を引用すると、

３ 　消費者は、事業者が消費者契約の締結について勧誘をするに際し、当該消費者に対して次に掲げる行為をしたことにより困惑し、それによって当該消費者契約の申込み又はその承諾の意思表示をしたときは、これを取り消すことができる。

一 　当該事業者に対し、当該消費者が、その住居又はその業務を行っている場所から退去すべき旨の意思を示したにもかかわらず、それらの場所から退去しないこと。

二 　当該事業者が当該消費者契約の締結について勧誘をしている場所から当該消費者が退去する旨の意思を示したにもかかわらず、その場所から当該消費者を退去させないこと。

今までの状況から考えると、ナインクルーズは３一、３二のいずれにも違反しています。
また、クーリングオフ（特定商取引法）は受領した日から８日以内にできるもの、と思われている方も多いと思いますが、

１．業者がクーリングオフや解約等に関する事項について、不実告知をしため、言われたとおりだと思い込み、申込者が誤認をした場合

２．業者に威迫され困惑した場合

以上の場合は、８日をすぎたあとでも契約申し込みの撤回が行えます。

この場合、不当な契約を結ばされた場合は、
契約の申し込みが撤回できる旨を記載した書面をナインクルーズが改めて交付し、再び契約を結ぶ必要があるので、
そのとき契約しなければOKです。

というわけで、今回の契約は消費者保護法、特定商取引法により解約できます。これが１点目。


２点目は売買契約の側から拒否できる可能性があります。

仮契約書には

2　乙が、前条第2項の意思表示をした際に、甲がそれを拒否した場合、
　　甲は乙に対して違約金として評価額同等の金銭を支払わなければならない。

とありますが、宅地建物取引業法によると、違約金は売買代金の２割を超えてはならないと規定されています。
その金額を超えた金額（売買代金に等しい）なので、違約金については無効になります。
なのでナインクルーズが「売れ」という意思表示に対して「やだ」と拒否したとしても、
違約金の支払いをする必要はありません。

まとめると、

１．ナインクルーズは契約者に対してちゃんと理解するように説明していないため、契約者はそれを理由に契約を解除できる

２．ちゃんと理解した上で契約してしまったとしても、違約金の金額は無効であるため、売ることを拒否しても違約金は発生しない

ということで、仮契約書のクーリングオフによる解約、または意思表示の拒否が可能です。
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