2011年6月18日(土)に行われた現地説明会の様子をUstreamの録画を見ながら文字起こししました。
映像を見る事が出来ない方、大きな音で確認しづらい方に向けてここに公開致します。
質疑応答の部分では、言葉を選びながら慎重に説明されている様子が伺えます。
なお、前日に阿部氏がフォーラムとtwitter上で説明会実施会場の場所を明示していた件に由来する質問や
説明会自体が終了した後に寄せられた幾つかの質問については私見により削除しました。御了承下さい。
後日、要約するなどの手を加え、別の形で改めて御報告させて頂く予定です。
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映像を見る事が出来ない方、大きな音で確認しづらい方に向けてここに公開致します。
質疑応答の部分では、言葉を選びながら慎重に説明されている様子が伺えます。
なお、前日に阿部氏がフォーラムとtwitter上で説明会実施会場の場所を明示していた件に由来する質問や
説明会自体が終了した後に寄せられた幾つかの質問については私見により削除しました。御了承下さい。
後日、要約するなどの手を加え、別の形で改めて御報告させて頂く予定です。
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石坂:みなさん、今日は遠い所からようこそお越し下さいました。
私はこのみなかみ町の観光協会に勤めております、石坂美里と申します。よろしくお願いします。
阿部:石坂さんは僕の中学時代の先輩でして、今回の問題を一番気にかけている人です。
石坂:では、今回の問題について説明させて頂きます。
その前に、町長の岸よりメッセージを預かっております。そちらを御覧下さい。
岸町長:皆様、おはようございます。みなかみ町の町長の岸 良昌でございます。はるばる説明会にお越し下さり、心から感謝申し上げます。直接お会いする事が出来ず申し訳なく思っております。これより阿部・石坂がみなかみ町の説明を行います。
石坂:皆さん既に御存知かと思いますが、この街では今、ある企業によって土地の買収が盛んに行われております。勿論、買収自体は違法な物ではありません。ですが、そのやり方が酷く乱暴な物になっております。
阿部:先輩は、いや、石坂さんやこの街の人たちは何とかしてその証拠や、土地を買収した後の計画を掴もうとしたんですが、残念ながら出来なかったそうです。
石坂:そこで、私達はこの漠然とした不安を街の外の人にも知ってもらうのと共に、東京にあるというその企業の調査を皆さんにお手伝いして頂こうと考えました。
阿部:僕が皆さんにDVDをお配りしたと思うのですが、それもそういう理由からです。さすがに先輩から大量のDVDを頂いた時にはどうしようかと思っていたのですが。
石坂:(阿部光利氏をじっと見つめながら悪気もない様子で)どうして?
阿部:(石坂の悪びれない様子に圧倒されつつ)あ、いや、全然。ありがとうございます、あはは。ええと。東京にある企業、と先輩が言ってたじゃないですか。僕も実際わからないので、会社の名前とかわかりますか?
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株式会社ナインクルーズ
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石坂:こちらは創業10年になる観光事業会社です。資料の方がこちらに・・・。(資料を探すが見つからない)みっちゃん、下に行って資料を。
阿部:わかりました。すみません、今、資料を取って来ます。
石坂:すみません。少しお待ち下さい。
(一度は部屋の外に出たはずの阿部が室内に戻り、後ろ手にドアを閉める)
石坂:(阿部に向かって)資料は?
阿部:・・・いや、その。
石坂:(阿部に向かって)どうしたの?みっちゃん。
阿部:いや、あの、なんか(うまく言葉にならない様子)。・・・うわっ!
(背後のドアが急に開いて、阿部が転倒。BGM「ツァラトゥストラはかく語りき」と共に、男性2人と女性が登場。)
三上:私がナインクルーズの社長、三上と申します。本日はお越し頂きありがとうございます。おい、新庄くん。みなさんに名刺を配りなさい。
新庄:はい、かしこまりました。
阿部:なんであなたたちがここに?
三上:あれだ。君は馬鹿なのか?あれだけネットで騒げば我々だって気付くさ。それぐらいわかるよ。
石坂:みっちゃん、これ、秘密会議じゃなかったの?
阿部:いや、その・・・。
三上:あれ?そちらは、観光協会の石坂美里さん。確か年齢は、25・・・。
石坂:まだ24ですっ!
三上:失礼しました。私、ナインクルーズの三上と申します。そして、あちらにいるのが我が社の新庄、それから諏訪です。
諏訪女史:よろしくお願いします。
三上:じゃ、諏訪くん、さっそく説明しようか。あ、観光協会の皆さんもお聞きになってはいかがですか?
諏訪女史:みなさん、こんにちは。私共ナインクルーズは、みなかみ町の皆様の御支援を頂きながら、こちらのみなかみ駅近郊にレジャー施設を建設しようと考えております。このレジャー施設における集客効果は、対前年度161%を見込んでおります。
新庄:つまり、私たちは不法に土地を買収しようとは考えてないんですね。
石坂:でも!田中のおじいちゃんは無理やり契約させられそうになったって言ってました!
三上:よろしいですか。我々が計画しているレジャー施設があれば、みなかみ町には再び多くの利用客がいらっしゃる。それは悪い事でしょうか。
石坂:でもっ!
三上:石坂さん、あなた確か御実家は鹿野沢で、民宿を経営されてましたよね。どうして廃業なさったんですか。
石坂:それは・・・。
三上:簡単ですよ。この街に来るお客様が少なくなった、それだけの事です。諏訪くん(と諏訪女史を促す)。
諏訪女史:はい。これで皆様にも私共がなぜこの土地を買収しようとしているのか、この説明会によって正しく御理解頂けたものと思います。
三上:観光協会の皆さんも誤った思い込みで行動するのではなく、是非、我々に協力をお願いしますよ。・・・ふふふ、ははは。
新庄:社長、他に何かお話される事はありますか。
三上:いや。・・・ミュージックだ!(パチン!と指を鳴らす)
阿部:・・・退出する時もBGM流すの?
新庄:それでは皆様、本日はこれで失礼させて頂きます。他県からお越しのお客様もお気を付けてお帰り下さい。
(再び派手なBGMと共に三上、諏訪女史、新庄が退場。)
石坂:皆さん、今日はわざわざお越し下さったのに、ごめんなさい!
阿部:・・・先輩。
石坂:確かに彼らの言った通り、年々みなかみ町を訪れるお客様が減っているのは事実です。そして、レジャー施設を作る事によってお客様を呼び戻すきっかけになるのであれば、それはひとつの解決策なのかもしれない。
阿部:そんな・・・。
石坂:でも!私はナインクルーズのやり方が正しいとは思えません!今は何の証拠も根拠もないんですが、それを是非、皆さんのお力で見つけて頂く事は出来ませんか?・・・よろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:僕からも改めてお願いします!先輩を助けてやって下さい(深々と礼)。
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石坂:では、だいぶ予定が狂ってしまいましたが、今から皆様の質問に答えていきたいと思います。(阿部に向かって)みっちゃん、資料を。(参加者に向かって)何か質問のある方は挙手をお願いします。
質問者:今、行われている計画、レジャー施設を建てる計画は今、持って来られる資料に書いてありますか?
石坂:ナインクルーズが計画している事は私達にはまだわかっていません。今から持って来る資料というのは、ナインクルーズの今わかっているHPの印刷したものになるんですが。
(資料が配布される)
質問者:先ほど石坂さんのお話の中で「田中のおじいちゃんが無理やり契約させられそうになった」というお話がありましたが、具体的にどういう事があったのか御存知ですか。
石坂:田中のおじいちゃんはこの街で駄菓子屋を経営していまして、昔から続く駄菓子屋さんでした。そのおじいちゃんはずっと駄菓子屋をやっていたのですが、ある時、多分あの社長だと思うんですけど胡散臭い男がやって来て、いきなり店を荒らすじゃないんですけど、突然棚を倒したりしておじいちゃんに無理やり契約を迫ったという話を直接聞いて、おじいさんはそのまま手を骨折して入院してしまいました。
質問者:田中のおじいちゃん以外にはそういった方はいらっしゃるんですか。
石坂:街の人は何もわからないまま、そのまま買収されてしまっている人も今はいるようですが、大きな被害があるのは今一番聞いているのはその田中のおじいちゃんの所ですね。私に近しい人間なので、詳しく話を聞けたという事もありますが。
質問者:この買収自体はいつごろから始まったんですか。
石坂:買収自体が公に出てきたのはほんと、最近の事です。去年11月くらいですかね。
質問者:買収がかかっている土地というのは駅の近くという事なんですけど、実際に便利な所なんですか。
石坂:少し駅から離れてはいるんですが、この後皆さんにも観光してもらう所にはなるかと思います。バスで移動した先になりますね。
質問者:どちらかと言うと、駄菓子屋さんがあるという事なんですけれど、住宅に近い所なんでしょうか。
石坂:そうですね。人が住める街ではありますね。
質問者:ナインクルーズの社員の方っていうのは、今いらっしゃった3名以外の方と・・・。
石坂:私は今日社長と呼ばれるあの方達にお会いしたのも初めてなもので、他の方は存じ上げません。
阿部:僕自身も今、ナインクルーズという会社名を知ったのも皆さんと一緒のタイミングですので、それまでは土地を買収した企業が東京にあるという事しか知ってなかったんで。社員が何人いてどんな人がいるのかはわからない状態です。
質問者:ナインクルーズの社長の方は石坂さんのお顔を知っていたようなんですけれど。
石坂:そうなんですよね。
阿部:だから、恐らく田中のおじいちゃんのように、買収する土地だったり顧客名簿みたいなものかわからないんですけど、個人情報っていうのはあちらサイドが入手しているのかなというのは、客観的に見て感じる事はあるので。やっぱり自分が欲しい土地の人の、その土地の情報だったり各人の情報だったりを把握しているっていう感じでいいんですかね。そういうのも僕ら自身もわからない状態なので。ナインクルーズという会社の情報も今お配りしたパンフレットのみという形になってしまうので。
質問者:ナインクルーズのHPの印刷に本社の場所が書いていないんですけど、なぜ東京にあるとわかったんですか。
阿部:僕は中野に住んでいるんですけど、なんか就職活動だったり、就職活動中で色々まわっているんですけど。僕が個人的に聞いたのかわからないですけど、新しい会社が出来たよっていうのを知ってて。ナインクルーズさんっていうのを今名前は初めて知ったんですけど、HP上でちらっと見た事があって。その時友達がその建物の写真を取ってくれてて。それで僕が中野の方にあるって情報を周りからいつの間にか得ていたので、今、色々合致して、というのはありますね。
質問者:今、住所がないっていう話だったんですけど、連絡先もメールアドレスもなんかないみたいで。そこに誰かが依頼した、っていう事になるんですかね。
阿部:ちょっとそれは・・・わからない。
石坂:何を考えてこのみなかみにレジャー施設を作ろうとしているのかすら、ちょっとこちらにはわかっていない状態なので。
阿部:僕も皆さんにDVDを送ろうとしたんですけど、その時も先輩から色々言われていた事は勝手に土地が買収されているっていう。その理由すらもわからなくて、実際に今、ナインクルーズの人が来て軽く説明した形で、それで情報を仕入れたので、詳しい事を説明出来ないというのが現状です。
質問者:つまり、街とか観光協会としては全く知らない所でみなかみにレジャー施設を作ろうという会社がある、という事ですか。
石坂:そうですね。
阿部:土地を買収されているっていう事実があるだけで、実際にはレジャー施設を作るって事も今知ったので、多分街の皆も今初めて知ったと思うので、土地を買収されているっていう情報しか僕らにはなかったので、それを知り得る手段が今はない状態で。
質問者:先ほどの田中のおじいちゃんの話に戻ってしまうんですけども。棚を倒したり腕を骨折したというお話を石坂さんがしていましたけども、その方向から刑事事件として訴えていくという考えはみなかみ町にはないんでしょうか。
石坂:そうですね。それもひとつ言ったんですが、おじいちゃんは大きな事件にする事で街を傷付ける事になるのではないか、と。おじいちゃんは店を続けたいっていう風におっしゃっていて。
質問者:私達がみなかみ町を助ける方法としては、その会社の場所はもうわかっていらっしゃるんですよね?
阿部:僕の勘なんですけど、複数あるうちの、中野にそれっぽいのがあるのかなってイメージなので。
質問者:その会社を探してそこの会社のやる事を止めて欲しいという依頼でいいのか、突き止めて欲しいのか。
阿部:街自体が先ほどもナインクルーズさんがおっしゃったようにお客さんが少ないっていうのが実情で。僕は今は東京に上京して来ているので地元のアレとかそんなに興味がないっちゃ、ぶっちゃけないんですけど。先輩がこの街をすごい愛していてこの街の観光協会に就職して、すごい郷土愛をお持ちの人なんですね。それで、レジャー施設が出来る事によって、先ほど言ってた対前年度161%でしたっけ?そう言ってて。それがすごい良い方向に向くんであれば僕は今の段階では、いいのかなという風には思っているんですね、実際。それは僕が今東京に住んでるし、ここに住んでいないので、自分の将来っていう物の方が大事なんですけど、郷土愛っていうのがあって、なぜ買収をそんなにするのか、レジャー施設をなぜ建てるのかっていうその根幹っていうものが多分見えないからこそ、無駄に土地を買収してホントにレジャー施設なのかっていう、今、口で初めて知り得た情報しかないので、それに対して先輩は無駄に土地を買収されているっていうその現状に疑問を抱いているんじゃないかなって、今回手伝わせてもらって僕は感じている事で。とりあえずはナインクルーズが何をしているのか、っていうのを明確に情報として、証拠として欲しいのかなっていう風には一番じゃないですかね。
質問者:今までこの会社が何をやってきたのかとかも、全然わからないんですよね。
阿部:そうですね。ほんとに僕らも全くわからない状況で、事実としてあるのは土地が買収された後、ナインクルーズはレジャー施設を建築するとは言ってますけど、それが果たして本当にレジャー施設なのか、っていう事すらもわからない状態で、今初めてこのナインクルーズの会社説明みたいなのを受けたので、そこが一番のわからないポイントになるのかなとは思いますが。情報がこちらとしても少ないのは本当に申し訳ないと思います。
質問者:調査をするにあたってどれくらいの期間を観光協会がたは想定していますか。僕たちが調査をする期間というのは。
石坂:そうですね。大体、早ければいいんですが、1ヶ月から3ヶ月ぐらい。
質問者:という事は逆に、その3ヶ月後ぐらいに何か明確に動きがあるという予感だったりとか目処だったりという物を掴んでいるという事ですか。
石坂:いえ。今のところ向こう側の動きが読めないので、ただ、街がそういう強引な買収をされている状態ですので、一刻も早くその原因を突き止めて奴らの狙いを明確にしたいという事です。
質問者:この会議は秘密会議という事ですが、東京で僕たちが調査を行っているその調査の経過報告などは、今まで通りtwitterやフォーラムなどで行っても問題はないんですか。
阿部:そうですね。一応僕の方でもなるべく情報の方は更新していきたいとは思いますし、皆さんの方でも勿論ナインクルーズについて何でもいいので、わかればわかった時点でどんどん発信していってほしいなっていう風には思っていて。僕らとしては今知り得た情報がそれだけで、この状態で本当に無能で申し訳ない気持ちで一杯なんですけど皆様にお力を借りるしかないなっていう状態です。
質問者:ナインクルーズの人もtwitterの情報とかを見て今日ここにいらっしゃった訳ですよね。
阿部:僕の浅はかな作戦が失敗に終わったというか。
質問者:ナインクルーズの人が見ているかもしれない場所でそういった話をしていいのか、と。
阿部:大量のDVDが送られてきた時に、僕、正直言って友達が少ないので、先輩には昔から友達は多い方というか、東京にいるし大学にも。
石坂:(阿部に向かって)え、友達、じゃない、の?え、友達を連れて来るんじゃなかった、の?
阿部:(石坂に向かって)すみません。あの。バスで知り合いました。
石坂:(阿部に向かって)だから、ネットで騒いだとかどうのとかっていう話だったのね。
阿部:実際、DVDを送るのも友達じゃないから住所とかどうしようとか思ったんですけど、中野坂上のマクドナルドにUSBが落ちていて。パソコンに繋げたら、ジャッと、出たんで。で、バスで知り合いました。そういう状態なんです。
質問者:阿部さんが知っているナインクルーズっぽい会社の場所を教えてもらえたら、と。
阿部:土地の住所はわからないんですけど、僕が見た情報、「ここに新しい会社が出来たっぽいよ」みたいな感じだったのは中野から沼袋の間というか。
質問者:すごいアバウトすぎる。
阿部:僕も知らないので、住所までは聞かなかったので。そこには全然「まさかこことそんな」というか。今適当にピン!と頭に思いついたんですけど。そこかなっていう情報で、確かな情報は全然わからなくて。ただ新しい会社が出来たっていう情報がただ僕の中で最新のがその中野と沼袋の間にある会社という風にしかないので、本当に正確な情報がないのが現状っていう形です。
質問者:この会社が出来たのは10年前ですよね。
阿部:そうなんですか。
参加者:新社屋が最近出来たって、2008年に。
阿部:もしかしたら違う可能性もあるし、そうかもしれないですけど。僕自身がナインクルーズを探していったっていう事がまずないので。なら、DVDは皆様に送らない、みたいな。
質問者:最後確認になってしまうんですけど。地上げが始まったのは大体いつ頃というお話でしたっけ。
石坂:昨年の11月です。
質問者:ですがこの資料を見ると、観光企画部というのは今年の5月から運営されているみたいなんですけど、それとは?
石坂:以前から続いていたみたいです。
質問者:観光企画部とは全く関係ない?あ、それも掴めてない?
石坂:はい。
石坂:・・・特になければ、これで質疑応答を終了させて頂きます。
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阿部:あの。結局、今わかっている所から手がかりを探してもらうっていう風になってしまいました。申し訳ありません(深々と礼)。(隣で肩を落とす石坂に向かって)大丈夫ですよ。ここにいる皆さんは僕の目茶苦茶な呼びかけに応えて来てくれたんですから。何とかなりますよね。ええ、何とかなります!(石坂に向かって)あ、僕もあの、頑張りますから。
石坂:ありがとう。
石坂:皆さんだけは頼りになります。どうぞよろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:よろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:説明会の方は以上になります。
石坂:今日は本当にありがとうございました(深々と礼)。
阿部:ありがとうございました(深々と礼)。
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私はこのみなかみ町の観光協会に勤めております、石坂美里と申します。よろしくお願いします。
阿部:石坂さんは僕の中学時代の先輩でして、今回の問題を一番気にかけている人です。
石坂:では、今回の問題について説明させて頂きます。
その前に、町長の岸よりメッセージを預かっております。そちらを御覧下さい。
岸町長:皆様、おはようございます。みなかみ町の町長の岸 良昌でございます。はるばる説明会にお越し下さり、心から感謝申し上げます。直接お会いする事が出来ず申し訳なく思っております。これより阿部・石坂がみなかみ町の説明を行います。
石坂:皆さん既に御存知かと思いますが、この街では今、ある企業によって土地の買収が盛んに行われております。勿論、買収自体は違法な物ではありません。ですが、そのやり方が酷く乱暴な物になっております。
阿部:先輩は、いや、石坂さんやこの街の人たちは何とかしてその証拠や、土地を買収した後の計画を掴もうとしたんですが、残念ながら出来なかったそうです。
石坂:そこで、私達はこの漠然とした不安を街の外の人にも知ってもらうのと共に、東京にあるというその企業の調査を皆さんにお手伝いして頂こうと考えました。
阿部:僕が皆さんにDVDをお配りしたと思うのですが、それもそういう理由からです。さすがに先輩から大量のDVDを頂いた時にはどうしようかと思っていたのですが。
石坂:(阿部光利氏をじっと見つめながら悪気もない様子で)どうして?
阿部:(石坂の悪びれない様子に圧倒されつつ)あ、いや、全然。ありがとうございます、あはは。ええと。東京にある企業、と先輩が言ってたじゃないですか。僕も実際わからないので、会社の名前とかわかりますか?
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株式会社ナインクルーズ
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石坂:こちらは創業10年になる観光事業会社です。資料の方がこちらに・・・。(資料を探すが見つからない)みっちゃん、下に行って資料を。
阿部:わかりました。すみません、今、資料を取って来ます。
石坂:すみません。少しお待ち下さい。
(一度は部屋の外に出たはずの阿部が室内に戻り、後ろ手にドアを閉める)
石坂:(阿部に向かって)資料は?
阿部:・・・いや、その。
石坂:(阿部に向かって)どうしたの?みっちゃん。
阿部:いや、あの、なんか(うまく言葉にならない様子)。・・・うわっ!
(背後のドアが急に開いて、阿部が転倒。BGM「ツァラトゥストラはかく語りき」と共に、男性2人と女性が登場。)
三上:私がナインクルーズの社長、三上と申します。本日はお越し頂きありがとうございます。おい、新庄くん。みなさんに名刺を配りなさい。
新庄:はい、かしこまりました。
阿部:なんであなたたちがここに?
三上:あれだ。君は馬鹿なのか?あれだけネットで騒げば我々だって気付くさ。それぐらいわかるよ。
石坂:みっちゃん、これ、秘密会議じゃなかったの?
阿部:いや、その・・・。
三上:あれ?そちらは、観光協会の石坂美里さん。確か年齢は、25・・・。
石坂:まだ24ですっ!
三上:失礼しました。私、ナインクルーズの三上と申します。そして、あちらにいるのが我が社の新庄、それから諏訪です。
諏訪女史:よろしくお願いします。
三上:じゃ、諏訪くん、さっそく説明しようか。あ、観光協会の皆さんもお聞きになってはいかがですか?
諏訪女史:みなさん、こんにちは。私共ナインクルーズは、みなかみ町の皆様の御支援を頂きながら、こちらのみなかみ駅近郊にレジャー施設を建設しようと考えております。このレジャー施設における集客効果は、対前年度161%を見込んでおります。
新庄:つまり、私たちは不法に土地を買収しようとは考えてないんですね。
石坂:でも!田中のおじいちゃんは無理やり契約させられそうになったって言ってました!
三上:よろしいですか。我々が計画しているレジャー施設があれば、みなかみ町には再び多くの利用客がいらっしゃる。それは悪い事でしょうか。
石坂:でもっ!
三上:石坂さん、あなた確か御実家は鹿野沢で、民宿を経営されてましたよね。どうして廃業なさったんですか。
石坂:それは・・・。
三上:簡単ですよ。この街に来るお客様が少なくなった、それだけの事です。諏訪くん(と諏訪女史を促す)。
諏訪女史:はい。これで皆様にも私共がなぜこの土地を買収しようとしているのか、この説明会によって正しく御理解頂けたものと思います。
三上:観光協会の皆さんも誤った思い込みで行動するのではなく、是非、我々に協力をお願いしますよ。・・・ふふふ、ははは。
新庄:社長、他に何かお話される事はありますか。
三上:いや。・・・ミュージックだ!(パチン!と指を鳴らす)
阿部:・・・退出する時もBGM流すの?
新庄:それでは皆様、本日はこれで失礼させて頂きます。他県からお越しのお客様もお気を付けてお帰り下さい。
(再び派手なBGMと共に三上、諏訪女史、新庄が退場。)
石坂:皆さん、今日はわざわざお越し下さったのに、ごめんなさい!
阿部:・・・先輩。
石坂:確かに彼らの言った通り、年々みなかみ町を訪れるお客様が減っているのは事実です。そして、レジャー施設を作る事によってお客様を呼び戻すきっかけになるのであれば、それはひとつの解決策なのかもしれない。
阿部:そんな・・・。
石坂:でも!私はナインクルーズのやり方が正しいとは思えません!今は何の証拠も根拠もないんですが、それを是非、皆さんのお力で見つけて頂く事は出来ませんか?・・・よろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:僕からも改めてお願いします!先輩を助けてやって下さい(深々と礼)。
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石坂:では、だいぶ予定が狂ってしまいましたが、今から皆様の質問に答えていきたいと思います。(阿部に向かって)みっちゃん、資料を。(参加者に向かって)何か質問のある方は挙手をお願いします。
質問者:今、行われている計画、レジャー施設を建てる計画は今、持って来られる資料に書いてありますか?
石坂:ナインクルーズが計画している事は私達にはまだわかっていません。今から持って来る資料というのは、ナインクルーズの今わかっているHPの印刷したものになるんですが。
(資料が配布される)
質問者:先ほど石坂さんのお話の中で「田中のおじいちゃんが無理やり契約させられそうになった」というお話がありましたが、具体的にどういう事があったのか御存知ですか。
石坂:田中のおじいちゃんはこの街で駄菓子屋を経営していまして、昔から続く駄菓子屋さんでした。そのおじいちゃんはずっと駄菓子屋をやっていたのですが、ある時、多分あの社長だと思うんですけど胡散臭い男がやって来て、いきなり店を荒らすじゃないんですけど、突然棚を倒したりしておじいちゃんに無理やり契約を迫ったという話を直接聞いて、おじいさんはそのまま手を骨折して入院してしまいました。
質問者:田中のおじいちゃん以外にはそういった方はいらっしゃるんですか。
石坂:街の人は何もわからないまま、そのまま買収されてしまっている人も今はいるようですが、大きな被害があるのは今一番聞いているのはその田中のおじいちゃんの所ですね。私に近しい人間なので、詳しく話を聞けたという事もありますが。
質問者:この買収自体はいつごろから始まったんですか。
石坂:買収自体が公に出てきたのはほんと、最近の事です。去年11月くらいですかね。
質問者:買収がかかっている土地というのは駅の近くという事なんですけど、実際に便利な所なんですか。
石坂:少し駅から離れてはいるんですが、この後皆さんにも観光してもらう所にはなるかと思います。バスで移動した先になりますね。
質問者:どちらかと言うと、駄菓子屋さんがあるという事なんですけれど、住宅に近い所なんでしょうか。
石坂:そうですね。人が住める街ではありますね。
質問者:ナインクルーズの社員の方っていうのは、今いらっしゃった3名以外の方と・・・。
石坂:私は今日社長と呼ばれるあの方達にお会いしたのも初めてなもので、他の方は存じ上げません。
阿部:僕自身も今、ナインクルーズという会社名を知ったのも皆さんと一緒のタイミングですので、それまでは土地を買収した企業が東京にあるという事しか知ってなかったんで。社員が何人いてどんな人がいるのかはわからない状態です。
質問者:ナインクルーズの社長の方は石坂さんのお顔を知っていたようなんですけれど。
石坂:そうなんですよね。
阿部:だから、恐らく田中のおじいちゃんのように、買収する土地だったり顧客名簿みたいなものかわからないんですけど、個人情報っていうのはあちらサイドが入手しているのかなというのは、客観的に見て感じる事はあるので。やっぱり自分が欲しい土地の人の、その土地の情報だったり各人の情報だったりを把握しているっていう感じでいいんですかね。そういうのも僕ら自身もわからない状態なので。ナインクルーズという会社の情報も今お配りしたパンフレットのみという形になってしまうので。
質問者:ナインクルーズのHPの印刷に本社の場所が書いていないんですけど、なぜ東京にあるとわかったんですか。
阿部:僕は中野に住んでいるんですけど、なんか就職活動だったり、就職活動中で色々まわっているんですけど。僕が個人的に聞いたのかわからないですけど、新しい会社が出来たよっていうのを知ってて。ナインクルーズさんっていうのを今名前は初めて知ったんですけど、HP上でちらっと見た事があって。その時友達がその建物の写真を取ってくれてて。それで僕が中野の方にあるって情報を周りからいつの間にか得ていたので、今、色々合致して、というのはありますね。
質問者:今、住所がないっていう話だったんですけど、連絡先もメールアドレスもなんかないみたいで。そこに誰かが依頼した、っていう事になるんですかね。
阿部:ちょっとそれは・・・わからない。
石坂:何を考えてこのみなかみにレジャー施設を作ろうとしているのかすら、ちょっとこちらにはわかっていない状態なので。
阿部:僕も皆さんにDVDを送ろうとしたんですけど、その時も先輩から色々言われていた事は勝手に土地が買収されているっていう。その理由すらもわからなくて、実際に今、ナインクルーズの人が来て軽く説明した形で、それで情報を仕入れたので、詳しい事を説明出来ないというのが現状です。
質問者:つまり、街とか観光協会としては全く知らない所でみなかみにレジャー施設を作ろうという会社がある、という事ですか。
石坂:そうですね。
阿部:土地を買収されているっていう事実があるだけで、実際にはレジャー施設を作るって事も今知ったので、多分街の皆も今初めて知ったと思うので、土地を買収されているっていう情報しか僕らにはなかったので、それを知り得る手段が今はない状態で。
質問者:先ほどの田中のおじいちゃんの話に戻ってしまうんですけども。棚を倒したり腕を骨折したというお話を石坂さんがしていましたけども、その方向から刑事事件として訴えていくという考えはみなかみ町にはないんでしょうか。
石坂:そうですね。それもひとつ言ったんですが、おじいちゃんは大きな事件にする事で街を傷付ける事になるのではないか、と。おじいちゃんは店を続けたいっていう風におっしゃっていて。
質問者:私達がみなかみ町を助ける方法としては、その会社の場所はもうわかっていらっしゃるんですよね?
阿部:僕の勘なんですけど、複数あるうちの、中野にそれっぽいのがあるのかなってイメージなので。
質問者:その会社を探してそこの会社のやる事を止めて欲しいという依頼でいいのか、突き止めて欲しいのか。
阿部:街自体が先ほどもナインクルーズさんがおっしゃったようにお客さんが少ないっていうのが実情で。僕は今は東京に上京して来ているので地元のアレとかそんなに興味がないっちゃ、ぶっちゃけないんですけど。先輩がこの街をすごい愛していてこの街の観光協会に就職して、すごい郷土愛をお持ちの人なんですね。それで、レジャー施設が出来る事によって、先ほど言ってた対前年度161%でしたっけ?そう言ってて。それがすごい良い方向に向くんであれば僕は今の段階では、いいのかなという風には思っているんですね、実際。それは僕が今東京に住んでるし、ここに住んでいないので、自分の将来っていう物の方が大事なんですけど、郷土愛っていうのがあって、なぜ買収をそんなにするのか、レジャー施設をなぜ建てるのかっていうその根幹っていうものが多分見えないからこそ、無駄に土地を買収してホントにレジャー施設なのかっていう、今、口で初めて知り得た情報しかないので、それに対して先輩は無駄に土地を買収されているっていうその現状に疑問を抱いているんじゃないかなって、今回手伝わせてもらって僕は感じている事で。とりあえずはナインクルーズが何をしているのか、っていうのを明確に情報として、証拠として欲しいのかなっていう風には一番じゃないですかね。
質問者:今までこの会社が何をやってきたのかとかも、全然わからないんですよね。
阿部:そうですね。ほんとに僕らも全くわからない状況で、事実としてあるのは土地が買収された後、ナインクルーズはレジャー施設を建築するとは言ってますけど、それが果たして本当にレジャー施設なのか、っていう事すらもわからない状態で、今初めてこのナインクルーズの会社説明みたいなのを受けたので、そこが一番のわからないポイントになるのかなとは思いますが。情報がこちらとしても少ないのは本当に申し訳ないと思います。
質問者:調査をするにあたってどれくらいの期間を観光協会がたは想定していますか。僕たちが調査をする期間というのは。
石坂:そうですね。大体、早ければいいんですが、1ヶ月から3ヶ月ぐらい。
質問者:という事は逆に、その3ヶ月後ぐらいに何か明確に動きがあるという予感だったりとか目処だったりという物を掴んでいるという事ですか。
石坂:いえ。今のところ向こう側の動きが読めないので、ただ、街がそういう強引な買収をされている状態ですので、一刻も早くその原因を突き止めて奴らの狙いを明確にしたいという事です。
質問者:この会議は秘密会議という事ですが、東京で僕たちが調査を行っているその調査の経過報告などは、今まで通りtwitterやフォーラムなどで行っても問題はないんですか。
阿部:そうですね。一応僕の方でもなるべく情報の方は更新していきたいとは思いますし、皆さんの方でも勿論ナインクルーズについて何でもいいので、わかればわかった時点でどんどん発信していってほしいなっていう風には思っていて。僕らとしては今知り得た情報がそれだけで、この状態で本当に無能で申し訳ない気持ちで一杯なんですけど皆様にお力を借りるしかないなっていう状態です。
質問者:ナインクルーズの人もtwitterの情報とかを見て今日ここにいらっしゃった訳ですよね。
阿部:僕の浅はかな作戦が失敗に終わったというか。
質問者:ナインクルーズの人が見ているかもしれない場所でそういった話をしていいのか、と。
阿部:大量のDVDが送られてきた時に、僕、正直言って友達が少ないので、先輩には昔から友達は多い方というか、東京にいるし大学にも。
石坂:(阿部に向かって)え、友達、じゃない、の?え、友達を連れて来るんじゃなかった、の?
阿部:(石坂に向かって)すみません。あの。バスで知り合いました。
石坂:(阿部に向かって)だから、ネットで騒いだとかどうのとかっていう話だったのね。
阿部:実際、DVDを送るのも友達じゃないから住所とかどうしようとか思ったんですけど、中野坂上のマクドナルドにUSBが落ちていて。パソコンに繋げたら、ジャッと、出たんで。で、バスで知り合いました。そういう状態なんです。
質問者:阿部さんが知っているナインクルーズっぽい会社の場所を教えてもらえたら、と。
阿部:土地の住所はわからないんですけど、僕が見た情報、「ここに新しい会社が出来たっぽいよ」みたいな感じだったのは中野から沼袋の間というか。
質問者:すごいアバウトすぎる。
阿部:僕も知らないので、住所までは聞かなかったので。そこには全然「まさかこことそんな」というか。今適当にピン!と頭に思いついたんですけど。そこかなっていう情報で、確かな情報は全然わからなくて。ただ新しい会社が出来たっていう情報がただ僕の中で最新のがその中野と沼袋の間にある会社という風にしかないので、本当に正確な情報がないのが現状っていう形です。
質問者:この会社が出来たのは10年前ですよね。
阿部:そうなんですか。
参加者:新社屋が最近出来たって、2008年に。
阿部:もしかしたら違う可能性もあるし、そうかもしれないですけど。僕自身がナインクルーズを探していったっていう事がまずないので。なら、DVDは皆様に送らない、みたいな。
質問者:最後確認になってしまうんですけど。地上げが始まったのは大体いつ頃というお話でしたっけ。
石坂:昨年の11月です。
質問者:ですがこの資料を見ると、観光企画部というのは今年の5月から運営されているみたいなんですけど、それとは?
石坂:以前から続いていたみたいです。
質問者:観光企画部とは全く関係ない?あ、それも掴めてない?
石坂:はい。
石坂:・・・特になければ、これで質疑応答を終了させて頂きます。
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阿部:あの。結局、今わかっている所から手がかりを探してもらうっていう風になってしまいました。申し訳ありません(深々と礼)。(隣で肩を落とす石坂に向かって)大丈夫ですよ。ここにいる皆さんは僕の目茶苦茶な呼びかけに応えて来てくれたんですから。何とかなりますよね。ええ、何とかなります!(石坂に向かって)あ、僕もあの、頑張りますから。
石坂:ありがとう。
石坂:皆さんだけは頼りになります。どうぞよろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:よろしくお願いします(深々と礼)。
阿部:説明会の方は以上になります。
石坂:今日は本当にありがとうございました(深々と礼)。
阿部:ありがとうございました(深々と礼)。
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最終更新日 : -0001-11-30